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鍼灸とは何か?現役鍼灸師が簡単にまとめて解説
「鍼灸治療を受けたことがないので、どんな効果があるのかを知りたい」
「鍼灸って安全なのかな?少し怖いと思っている」
今回のブログでは、鍼灸治療を受ける前のあなたに向けて記事を書きました。
鍼灸治療とは?
身体の痛みや症状が出ている特定の部分に対して点で刺激をする為に、専用の鍼や灸を用いた治療法です。鍼灸治療を行なう際には、国家資格でもある「はり師」「きゅう歯」の資格を所持して施術にあたります。2つを合わせて「鍼灸師」とも呼ばれますが、この治療法は鍼灸師と医師のみに許された治療法です。
鍼灸治療を行なう際に、痛みの出ている部分に対しての刺激(西洋医学的鍼灸)と、経穴(ツボ)の流れに沿った刺激(東洋医学的鍼灸)という治療方法があります。
【鍼灸治療】はり灸の3つの効果
身体的機能調整の効果
鍼灸には体内の組織や機関の機能を回復させる効果があります。例えば、痛みやけいれんといった症状に対して、「鎮静作用」によって機能が以上に高まっている状態を抑える働きがあります。さらにしびれや麻痺といった神経系の低下や内臓機能の低下による症状に対して、機能を高める効果もあります。
血行促進の効果
症状が出ている部分(西洋医学的症状)や、症状の出ていない部分(東洋医学的症状)を組み合わせることで、腰痛や肩こりといった症状に対して血管を広げて、血流を促す効果があります。捻挫等の関節周りの炎症に対しても、症状の出ていない部分に刺激をすることによって、炎症を抑える効果もあります。
自己免疫力UPの効果
鍼灸で刺激することによって、白血球数が増加して自分自身の身体を治そうとする力が高まります。身体全体の免疫力をUPさせることで病気になりにくい身体作りや予防としても用いられてきます。また、ぎっくり腰などの症状に対して、「消炎鎮痛」の効果も発揮されるので、回復を早める効果もあります。
【鍼灸治療】はり灸って痛くないの?
鍼(はり)と聞くと。注射針のようなイメージをされる方が多くいます。主に一般的な鍼治療では、太さが0.10mm~0.20mm程度の髪の毛程の細い鍼を使用していることが多くあります。その為、痛みは感じにくくなっています。場合によっては「チクッ」とする場合や重だるくなる「鈍痛」もありますが、ほとんどそのようなことはありません。さらに、鍼灸治療で用いられる鍼の特徴として、先端部分が少し丸くなっているので、皮膚から柔らかく入り、痛みはほとんど感じないような工夫がされています。ただし、痛みの感じ方は個人差があるので、身体の状態を把握してから受けることをオススメします。
灸(きゅう)の場合は、はりと同様でツボを刺激する時に用います。皮膚の上にもぐさ(艾)を置いて、転化することによって熱を用いてツボを刺激します。もぐさの硬さや大きさによって熱の伝わり具合がかわりますが、一般的には米粒の半分くらいの大きさで行ないます。直接行う場合でも、灸点紙といった銀紙で出来た紙の上に灸を置くので、痕は残りません。熱さも「チクッ」とする程度になります。
最近ではドラッグストアでもセルフケア用品としてせんねん灸も販売されています。
【鍼灸治療】どんな疾患に効果的?
WHO(世界保健機関)では鍼灸治療の有効性は以下の様に効果的と認められています。
神経疾患
脳卒中後遺症、神経痛、片頭痛、頭痛、顔面麻痺
内臓疾患
胃炎、胃下垂、胃酸過多、十二指腸潰瘍、腸炎、便秘、下痢
整形外科疾患
腰痛、頚肩腕症候群、肩関節周囲炎、五十肩、テニス肘、関節炎、頚椎捻挫後遺症、関節リウマチ
呼吸器系疾患
気管支炎、気管支喘息、扁桃炎
小児科疾患
夜尿症、小児喘息
眼科系疾患
急性結膜炎、近視、白内障
耳鼻咽喉科系疾患
副鼻腔炎
この他、(社)日本鍼灸師会では、スポーツ障害、婦人科疾患、自律神経失調症などにも鍼灸治療を推奨しています。
さらに「米国国立衛生研究所( NIH )合意形成声明」によると
- 術後の薬物療法時の吐き気
- 嘔吐
- 鹿の術後痛
- 薬物中毒、脳卒中のリハビリ
- 頭痛
- 月経痛
- テニス肘
- 繊維性筋痛
- 筋筋膜性疼痛
- 変形性関節炎
- 腰痛
- 手根管症候群
- 喘息
といったものに関しては補助的な治療法、または代替治療法として有効的とも書かれています。
【鍼灸治療】はり灸が特に得意とする症状
頭部疾患
頭痛、目の疲れ、歯痛、めまい、立ちくらみ
頚肩腕疾患
寝違い、肩こり、手のしびれ、肘の痛み
腰下肢疾患
腰痛、腰から足にかけての痛み、膝痛、足のむくみ、こむら返り(足がつる)
諸症状
身体の疲れ、吐き気、胃痛、胸やけ、食欲不振、風邪の症状、冷え性、のぼせ、生理痛、精神的ストレス、
これらに効果的ともされています。また、生活習慣病を重症化させない為の予防法としても有効とされています。。
【鍼灸治療】はり灸って副作用とかは無いの?
副作用はほとんどないと思ってもいいくらいですが、以下のような症状を引き起こす可能性もありますので、体調に合わせて受けるようにしましょう。
全身の副作用
疲労感、倦怠感、眠気、一時的に症状が悪化、刺激部のかゆみ、めまい。ふらつき、気分障害、頭痛
局所の副作用
微量の出血、指鍼時痛、皮下出血(アザ・内出血)、皮下血腫など
はり灸の副作用は主に軽傷で済みますし、一過性のものがほとんどなので心配はないでしょう。
【鍼灸治療】はり灸に保険は効くの?
はり灸の中では以下の疾患については健康保険の適用が出来ます。
- 神経痛
- リウマチ
- 頚肩腕症候群
- 頚椎捻挫後遺症
- 五十肩
- 腰痛症
これらの疾患については「医師の同意書」があれば、保険を使用しての治療が可能となります。ただし、同一部位を病院で治療中に並行しての治療は受けられませんのでご注意ください。さらに、定期的に医師の同意書が必要となるので、なかなか貰えないことが多くあります。
※ちなみに、当院の場合は、健康保険を取り扱っての鍼灸治療は行っておりません。