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保険診療
整骨院(接骨院)の保険料金が掲載できない理由と各種保険取扱の真実
近頃は街中を歩いていると、整骨院の店舗を見かけることが多くなりました。整骨院と聞くとほとんどの人は「保険が使える。」というイメージを想像すると思います。
健康保険と言えば、医療的な処置を受けた時に患者さんの負担を減らすことの出来る制度で、日本では健康保険料として国に対して一定料金を支払うのが普通ですよね。健康保険制度があるからこそ、日本国民が安心して医療を受けられている現状なのですが、整骨院では少し実態が違います。
今回のブログではあまり知られていない整骨院の料金について、仕組みを解説していきます!
整骨院の保険取り扱いについて
整骨院は柔道整復師(骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の応急処置を行う国家資格者)が勤務する施設です。整骨院は病院とは違い、医療施設ではなく、健康保険が使えるとは言え、適用範囲は上記の外傷に限られています。
病院で取り扱う健康保険と違うのは、費用の出所が違い、本来は整骨院で受けた施術費用は、患者さんが一旦全額を負担し、そのあとに保険組合に施術費用の申請をして負担割合に合った金額が還付される仕組みになっています。
しかし、患者さんの手間が増えてしまうため、受領委任制度を行い、患者さんから申請書にサインを貰うことで代わりに柔道整復師が申請することが可能になりました。他にも健康保険以外に整骨院で取り扱っている保険は多数あります。
整骨院では保険料金が掲載出来ません。
当院のホームページにも保険料金は掲載しておりません。これには理由がありますが簡単にお伝えすると、人それぞれ『負担額が変わる』からです。
- 割合負担によって負担額が変わる
- 負傷部位によって負担額が変わる
- ケガした日から処置を受けるまでで負担額が変わる
- 保険だけではなく、自費施術が必要な場合がある など
御幣を生んではいけないということから、掲載は出来ないようになっています。
もしも、『知りたい』という場合はおよその答えはしてくれるかもしれませんが、具体的にいくらか知りたい場合は、問診や検査の後でないとお伝えすることが出来ません。
整骨院の各種保険取り扱いの意味
整骨院では、ケガでしか保険が使えないということは先ほどお伝えしましたが、『各種保険取扱』なんて書いてあると、『何でも使える』と思う人もいるかもしれませんが、決してそういった理由ではありません。以下の4つが本当の意味です。
労働災害保険
労働災害保険(労災)は、就労者が勤務中や通勤中にケガを負った際に保険給付がされ、社会復帰に向けての保障がされる制度です。整骨院では労災申請を行っている店舗で取り扱いが許可されていて、企業から申請があった際に通院が可能となります。負担は労働基準監督署が行うので窓口の負担はありません。整骨院で労災を使って施術を受けるときは、務めている職場で労災申請を貰い、整骨院に柔道整復師用の労働災害支給申請書を渡す必要があります。
自動車賠償責任保険
自動車賠償責任保険(自賠責)は、自動車間、または人身事故でケガ負った際に給付される保険です。自動車を購入すると強制的に入ることになるので強制保険とも言われています。整骨院では自賠責保険の申請許可を得ている店舗で診療が可能で、交通事故後の施術を行っています。交通事故で通院するときは、必ず事故証明と医師の診断書が必要で、被害者であれば相手側の保険会社に通院の意思を示して同意を得る必要があります。
生活保護
生活保護は国民の生活を保障し、社会復帰を支援する制度です。生活保護受給者は医療を受ける際に健康保険証を持っていないので、自身が住む市区町村の福祉事務所に連絡し、ケースワーカーより施術券を発行してもらう必要があります。整骨院でも流れは同じですが、整骨院の施術は医療扶助と言って医療費からの支給ではなく、療養費からになるため認めれていません。もし、整骨院で施術を受けたい場合は、医師から要否意見書をもらうことで通院が可能になります。
健康保険
整骨院が健康保険を使って行った施術費用は、国の療養費から支払われます。患者さんは自身の負担割合に沿って1割、2割、3割の窓口負担を行いますが、乳幼児や身体障害を患っている人は窓口負担はありません。割合負担によって料金が変わるのと、その日に行った加療(電療、冷罨法、温罨法など)によって金額が変動するので、毎回同じ負担金額を支払うわけではありません。更に痛めてしまった部位の数によっても料金が変わってくるので、事前に料金を尋ねても検査や施術をしてみないことにはおおよその基本となる金額しか伝えることが出来ないのです。
そして、整骨院で健康保険が適用となるのは骨折や脱臼(医師の同意が求められる。)、捻挫、打撲、挫傷のみとなりますので、それ以外の疾患は健康保険の適用とはならないというのが病院と分けられているところですね。
まとめ
整骨院で行われている保険の取り扱いは、知らない人のほうが多いのが現状です。健康保険だけでなく、労災、自賠責、生活保護なども扱っている店舗もあるので、余計に混乱しがちですが、一つだけ言えることは整骨院は外傷の処置を行う施設という事です。つまり単なる肩こりや慢性的な腰痛、疲労から来る痛みは健康保険が適用できませんので、実費で行っています。もし、整骨院に通う場合はどんな症状で利用したいのかと、取り扱っている保険の種類について知っておくとスムーズに来院できると思います!