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腰の痛み
椎間板ヘルニア
腰が痛いとヘルニアが疑われるたった3つの理由と治療法を解説
「腰痛の多くはヘルニアと聞いたことがあるけれど、私の腰が痛い理由はヘルニアによるものなのかを知りたい」
「ヘルニアは整体で改善させることは可能なのかを知っておきたい」
今回はこのような悩みを抱えているあなたに向けて記事を書きました。
ヘルニアとは?
ヘルニアは、「外に飛び出す(脱出)」するという意味があります。本来あるべき位置に臓器が逸脱してしまった状態の事を言います。特に代表的なヘルニアは「椎間板ヘルニア」が有名ですが、臍ヘルニア(でべそ)・鼠径ヘルニア(脱腸)もヘルニアの1種となります。
椎間板ヘルニアついてはこちらのページをご覧ください。
このページでは、腰が痛くなったことで、ヘルニアなのか?疑問に思っている方について詳しく説明していきますね。
何故、腰が痛くなるとヘルニアが疑われるのか?
腰痛の中には特異的腰痛(原因がわかる)と非特異的腰痛(原因が分からない)に分けることが出来ます。
腰痛の分類についてはこちらのページからご覧ください。
レントゲンやMRIなどの検査によって診断される特異的腰痛ですが、この中に「椎間板ヘルニア」が存在します。腰痛の代表的な疾患の一つでもある椎間板ヘルニアですが、腰痛の中でも約10%の確率となります。この10%という数字は厚生労働省も認めている数字となりますが、この10%の中には「脊柱管狭窄症」や「腰椎すべり症」といった疾患も含まれるので、実際はもう少し数字が少なくなると思われます。
レントゲンを撮影して原因が分かる腰痛や分からない腰痛に関してはこちらから
ヘルニアを整体で取り除くことは出来ません
当院でも病院で椎間板ヘルニアと診断された方で、腰痛や坐骨神経痛を患っている方が来院されてから治療を行なうことで腰痛や坐骨神経痛の症状に改善が診られることがありますが、ヘルニア自体を取り除くことは整体では出来ません。ヘルニアになってしまった部分を取り除く場合は、外科的手術のみになります。
しかし、椎間板ヘルニアと診断されて腰痛や坐骨神経痛を患っているのに何故改善するケースがあるのか?
そもそも腰が痛いのはヘルニアではなかった
病院に行くと必ずレントゲンやMRIを撮影しますが、この検査だけでは不十分という事です。片田重彦医師もブログで9割のヘルニアは誤診という記事を書かれています。そのページはこちらから
以下引用
《若い世代も含めて、私の診察室にも「椎間板ヘルニア」が治らないという、たくさんの人がやって来ますが、ほとんどが「誤診」なのです。「誤診」という言い方に語弊があるなら、「ヘルニアはあっても、そこから痛みが出ているわけではない」と言い換えましょうか。
腰の部分、背骨と背骨の間には、クッションの働きをするゴム板のような椎間板という軟らかい組織が連なっています。これがあるおかげで、硬い骨同士は互いに傷つかず、前後左右にスムーズに動きます。椎間板ヘルニアと診断される時、「押しつぶされて変形した椎間板が外へ飛び出し、背中の神経を刺激しているから腰が痛いんです」と、画像を見せられ、説明されるのが一般的です。
ところが、(レントゲンやMRIなどの)画像検査によって椎間板の異常が見つかった人のうち、本当に椎間板ヘルニアが原因の腰痛はわずか3%。残りの97%は「椎間板ヘルニアだから腰が痛い」のではありません。》
よくヘルニアの手術をしたのに腰の痛みが取れないといったケースもありますが、そもそもヘルニアが原因ではなかった場合、手術をしたとしても腰痛が治らないことは想像できるのではないでしょうか?
腰が痛くなる要因
腰が痛くなる要因は1つだけではありません。ではどのようなものが隠れているのでしょうか?主にここでは4つについて解説していきます。
その1.脊椎(骨) 約1%
ガンによる骨への転移や背骨の圧迫骨折などが含まれます。骨転移は、身体の一部分に出来たガン細胞が血液の流れに沿って広がることによって発症します。特にどの部分のガンでも起こる可能性はありますが、特に「肺がん・乳がん・前立腺がん・腎臓がん・肝臓がん」に多く起こることがあります。
骨転移は背骨・肋骨・骨盤・大腿骨といった体重のかかりやすい部分も含まれ、圧迫することによって神経症状の出やすい脊椎に対して骨折や麻痺が起こって日常生活を困難な状態にしてしまうこともあります。
更にがんの骨転移も含めてちょっとした負担が乗ることによって骨折を招いてしまうこともあります。これが圧迫骨折の状態です。
その2.内臓 約2%
慢性膵炎
胆管の病気(胆石)やお酒の飲み過ぎによって膵臓に炎症が起きてしまう病気の事を言います。揚げ物や脂っこい食事やお酒を沢山飲んだ後に、左の腹部上部や背中に指す様な痛みが長時間続き、仰向けで寝ると痛みが増強して、背中を丸めるような膝を抱える姿勢をとると楽になることが特徴です。重症化する前に早期の治療が必要となります。
腎盂腎炎
腎臓の細菌感染症の1つで、若い女性や高齢者の方に多く診られます。症状として高熱、左右のどちらかの背中から腰に重ダルイ?痛いような症状が出ることが特徴的です。血液と尿検査で診断を行い、重症化しなければ抗生物質で細菌の増殖を抑える事ができます。。
尿路結石
尿路結石とは、腎臓でつくられた小さな石が尿管につまってしまうことで起きる病気で、若い男性に多くみられます。
左右どちらかの背中~腰に、深夜や早朝に突然、七転八倒するほど強い痛みが出ます。 坐薬などの強い鎮痛剤を使用しないと痛みが治まらないことも多いですが、いったん治まると何事もなかったように良くなります
その3.神経 約10%
もちろんこの中には椎間板ヘルニアも含まれますが、別の2つの疾患をご紹介していきます。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管は神経の束の脊髄を保護する役割があります。その脊椎に何らかの原因によって変形が起きて脊髄を圧迫してしまい足のしびれや痛みを引き起こします。腰を反らすと痛みが強く出る事や、特に長時間歩くと症状が増悪し、休むと軽快するといった間欠性跛行が診られることが特徴です。特に中年以降の方に多く診られます。
腰椎分離症・すべり症
学生時代にバスケットボールやバレーボールのように跳躍することが多い競技や。野球の打者・テニス・ゴルフのように回旋動作を繰り返し行うことで、腰椎の後ろの部分に亀裂が入って起こります。捻挫や打撲といった1度の衝撃で起こるものではなく、繰り返し加わる力によって起こりやすくなってきます。
腰椎分離症の発症は10代に多いですが、徐々に悪化してしまうと腰椎分離すべり症に進行していく可能性があります。脊柱管狭窄症と同様に、腰を反らしたりお尻や太ももに痛みが出るということもあります。
その他 筋肉 約85%?
上記で説明した部分は約15%なのですが、その他の85%は何なのか?それは、筋肉や関節といった部分や膠原繊維(こうげんせんい)というコラーゲンで出来ている部分が原因となって痛みを引き起こしていることが考えられます。この部分が血流が悪くなることによって酸欠状態となり痛みを引き起こしてしまうのです。
整体でヘルニアが治ったケース
ヘルニア自体を整体で取り除くことは出来ませんが、腰の痛みやしびれは取り除くことが出来ます。ですが、膀胱直腸障害といって「便や尿が出ない・出にくい」、「頻尿・失禁」などが診られる場合は、一度専門的な病院を受診する事をオススメします。
ですが、上記で説明した筋肉や関節といった部分や膠原繊維で出来ている「真皮・筋膜・関節包」といった部分が酸欠になって痛みが出ているとしたら、その腰痛や坐骨神経痛は改善することが出来ます。
とある医療文献によると 以下引用:引用元
《首や腰痛のある被験者のためのカイロプラクティックケアに関連する良性および深刻なリスクの概要を説明しています。脊椎操作に関連するほとんどの有害事象は、良性かつ自己制限的です。カイロプラクティックケアと操作の後の重篤な合併症の発生率は非常に低いです。最良の証拠は、カイロプラクティックケアは、重篤な有害事象の危険性が無視できると考えられるべき頸部痛または腰痛を有する対象にとって有用な療法であることを示唆している。》
となっています。これは施術後に重篤な合併症のリスクが低く、首痛や腰痛を有している人に有効な方法であることを認めています。
まとめ
ヘルニアと診断されたからと言って諦める必要はありません。整形外科の治療ももちろん継続して頂き、整体を1つの選択肢としてチョイスしてみてはいかがでしょうか?