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鍼治療の効果的な症状とは?鍼治療のメカニズムと5つの効果
「はり治療をこれから受けようと思っているけれど何に効果的なのかを知りたい」
今回の記事はこのような悩みを抱えているあなたに向けて記事を書きました。
鍼治療に効果的な症状は?
鍼灸治療は健康保険が適用となる症状は以下の通りです。
・頚椎捻挫後遺症
・頚肩腕症候群
・五十肩
・リウマチ
・神経痛
・腰痛症
これら6疾患については鍼灸の健康保険が適用となりますが、医師の診断書または同意書が必要となります。
また、この6疾患以外にもNIH(米国国立衛生研究所)の見解として鍼灸治療の病気に対する効果と科学的根拠(エビデンス)、西洋医学の代替医療として有効であるという事を発表しています。
以下社団法人日本鍼灸師会の鍼灸の適応症より引用
【神経系疾患】
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
このように幅広い病気や症状に対して鍼灸治療が効果的とされているのですが、鍼治療をすることによって体の中ではどの様な事が起きているのか?
鍼治療の効果 針をすることでのメカニズム
鍼灸は皮膚や筋肉に広がる感覚神経を刺激して脳や脳幹・脊髄などを司る中枢神経系を介して作用すると考えられています。
鍼は皮膚や筋肉に細い感覚神経を刺激することで、中枢神経内に「内因性オピオイド」と呼ばれる天然のモルヒネの様な物質を放出させて、痛みを抑制する力を高めて、神経の興奮を抑える(ブロック)ようになります。
また、鍼刺激では太い感覚神経も刺激するので、脊髄で痛みを反射的にブロックする作用を高めます。ですから鍼の鎮痛効果は中枢と脊髄の抑制系の2重で痛みをブロックしてくれるのです。
さらに深くまで針を刺入させることで神経刺激が入り血行を改善させて、痛みの素となる発痛物質を洗い流してくれるのです。
鍼灸治療で用いられる経穴(ツボ)ですが、刺激をすることで胃や腸などの内臓の働きも良くなることがわかっていますが、詳細は明らかになっていないのが現状です。
鍼治療は効果ないってホント?
「鍼は科学的根拠が無くプラシーボ効果に過ぎない」といった内容が「代替医療のトリック」という本に記載されて、鍼治療に対しての疑問や不信感が浮き彫りになりました。
ですが、様々な臨床試験ではプラシーボ効果ではなく、鍼治療は効果的という事が研究結果よりわかっています。
鍼治療の効果 冷え性
全日本鍼灸学会雑誌の「冷え性に対する鍼灸治療の効果」によると自覚的所見が50%、他覚的所見50%、症状消去率80%以上を示したとされています。また、基礎疾患(片麻痺患者)や脳卒中以外の患者さんに対しても冷え性の改善率は60.9%を占めるとされています。
鍼治療の効果 頭痛
全日本鍼灸学会雑誌の「頭痛に対する鍼灸治療の効果と現状」によると緊張性頭痛に対しての鍼治療のエビデンスは高いとされています。
一次性頭痛(緊張性頭痛・片頭痛)の場合は、予防として用いることが多く他の治療法と比較して有効かどうかの結論が出ていないものの、薬物療法を用いづらい患者さんに有用とされています。
ただし、頭痛と言っても良くならない場合は
・診断が不完全ないし不正確
・重大な増悪因子の見落とし
・薬物治療が不適切
・非薬物治療が不適切
・その他の要因
が考えられます。まずは適切な検査を行うようにすることが必要となります。
鍼治療の効果 肩こり
日本鍼灸エビデンスレポート「筋骨格系および結合組織の疾患」の肩こりに対する鍼の刺入震度による有効性の差の確認によると、浅くは下鍼刺激でも十分に有効性を示したとされています。
さらに全日本鍼灸学会雑誌「大学生の肩こり被験者を対象にしたトリガーポイント鍼治療の試みー肩こりに関するアンケート調査と鍼治療の効果に関する臨床試験ー」によると、トリガーポイントと呼ばれる痛みの出ている部分には原因が無く関連痛に対して鍼治療が効果的であるとされています。
また、64.1%の学生が肩コリを自覚していて日常生活が障害されるほどの眼精疲労や頭痛も愁訴として持つ傾向が多くあります。
鍼治療の効果 腰痛
アメリカ国立医学図書館国立衛生研究所の「慢性腰痛に対する鍼治療のランダム化比較試験」によると、慢性腰痛に定期的な鍼治療を併用することで治療効果と効果の持続性を高めることが出来ると記されています。
腰痛には「椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」といった特異的腰痛では知覚障害や筋力低下の改善は小さいものの、痛みやしびれ館などの自覚症状の改善に優れているということが記されています。
日本腰痛学会誌「腰部神経根症に対する鍼治療の効果ー症例集積による検討ー」より
ぎっくり腰のような急性腰痛に対しても鍼治療は消炎剤よりも安全かつ効果的であるように思われるともされています。
アメリカ国立医学図書館国立衛生研究所「急性腰痛の鍼治療用消炎剤」より
鍼治療の効果 膝痛
膝痛の中でも「変形性膝関節症」とよばれる高齢者の中でも特に多い疾患に効果的であるとされています。主に関節包と呼ばれる関節を包む膜に対して痛みを感じている変形性膝関節症ですが、運動療法と併用して大腿四頭筋とよばれる太ももの前側の筋肉に対して鍼治療が効果的と言われています。
鍼治療の効果 自律神経の調整
自律神経が乱れることによって不定愁訴と呼ばれる原因が分からない物に対して長期的に鍼灸院に通院する患者さんを対象に3月から8月の間に皮膚電気抵抗、皮膚温、脈拍、血圧、体温の変化を見たところ、皮膚温は季節の変化によって左右されるものの、自覚症状の改善に役立つ事を示唆されています。
全日本鍼灸学会雑誌「鍼灸治療が自律神経機能に及ぼす効果」より
鍼治療の効果 持続期間
鍼治療の場合は症状の強弱によってその場で自覚症状が軽減したりすることもありますが、肩コリや腰痛といった症状に対しては、定期的な鍼治療を受けることによって効果が持続するともされています。
鍼治療は、薬ではなく患者さんの自己治癒力を高めるためにも用いられるので患者さんの体調の変化によっても変わってくるので一概にどれくらい効果が持続するとは言えないのが現状です。
鍼治療の効果 悪化する事はあるの?
鍼治療をすることによって副作用として悪化するという事もあります。主に鍼治療後に体調が悪くなる場合は以下のようなことが考えられます。
①毒素を排出する為に起こる体調不良
②刺激量オーバーによる体調不良
③鍼治療後に急な運動や無理な行動をすることによる体調不良
④施術方針が合っていない時に起こる体調不良
このようなことが考えられます。