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【椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違い】対処法5選と治療法について

『ヘルニアと坐骨神経痛の言葉は知っているけれどイマイチ違いがわからない』
『腰の痛みや足のしびれが強いので、何か対処法があれば教えて欲しい』
この記事は、このような悩みを抱えているあなたの為に書きました。
椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いは?
簡単に言うと、「椎間板ヘルニア=病気」「坐骨神経痛=症状」です。
腰の骨は5つあり、骨と骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの役目を果たす組織があります。この椎間板に何らかの負担が積み重なった結果、中にあるゼリー状の「髄核:ずいかく」が外に飛び出してしまい神経を圧迫させてしまい腰痛や足の痛み、しびれを引き起こします。
坐骨神経痛の場合は腰痛やお尻の痛み、太もも裏からふくらはぎにかけて鋭い痛みやしびれを引き起こす症状となります。症状が強くなってい来ると日常生活で当たり前の「階段を昇り降りする」「座る」「車を運転する」「歩く」といった動作が困難な状態となります。
また坐骨神経痛は「腰部脊柱管狭窄症」や「変形性腰椎症」といった病気でも起こることがあります。
椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の対処法
ここでは「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン (改訂第2版)」や「腰痛診療ガイドライン」を参考にして解説していきます。
病院に行く
まずは病院に行きましょう。それは病院でしか「診断」が出来ないからです。椎間板ヘルニアや坐骨神経痛には重篤な病気が隠れていることもあるので、命の危険性が無いのか?確認してから次の行動に移しましょう。
また、椎間板ヘルニアの場合では「レントゲン」や「MRI」といった画像検査を行いますが、レントゲン写真ではヘルニアを発見することが出来ません。
薬物療法
腰痛や坐骨神経痛に対して、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)は有効であると「腰痛診療ガイドライン」でも報告されていますが、椎間板ヘルニアに対する非ステロイド性抗炎症薬だけを用いて治療効果があるのかは今のところわかっていません。ですが、筋弛緩薬と併用することによって有効であるということが示唆されています。
また、坐骨神経痛の場合は「抗うつ剤」や「リリカ」と呼ばれる薬を処方されることが多いです。
「坐骨神経痛に薬は効果的?効果が無い時はどんな対処法がいいのか解説」
ストレッチ
ストレッチは運動療法となるので、腰痛診療ガイドラインでも推奨度が高いものになります。ウォーキングやジョギングも運動療法に入りますが、坐骨神経痛や腰の痛みに対してはストレッチが非常に有効的です。特に椎間板ヘルニアでもお尻や太ももの筋肉や関節周りが硬くなることによって腰に負担がかかってしまいヘルニアを引き起こしてしまうこともあります。
また、一度に多くのストレッチをするというよりも日々継続的に行うとより有効であることが示唆されています。
「お尻から足の痛み・しびれを改善させる坐骨神経痛ストレッチ5選」
オススメの寝方
椎間板ヘルニアの場合は、横向きで寝てしまうと腰骨の負担を受けやすく痛みやしびれも強くなりやすくなってしまいます。反対に坐骨神経痛の場合は筋肉の影響を取り除くためには痛みが出ている側を上にして寝るようにしましょう。
椎間板ヘルニアの方は仰向けになった状態で膝を曲げたりして膝裏に枕やタオルを丸めて高さを調整してみましょう。
ベッドの硬さは、硬い方がいいのか?柔らかいものがいいのか?といった意見も多いですが実際のところはっきりとしたことはわかっていません。ですが、「腰が沈み過ぎない」「背中とお尻が同じ圧がかかる」といった部分を指標にするといいでしょう。
手術
椎間板ヘルニアの場合は手術が適応となる場合がありますが、通常のヘルニア摘出術と内視鏡を用いたヘルニア摘出術での結果に対しては差が無いことがわかっています。手術が適応となる場合は「馬尾症候群」と呼ばれる「膀胱直腸障害」「下肢の感覚障害」「下肢の運動障害」が診られた場合には手術が必要な例が多くあります。
これら馬尾症候群は重度の場合なので、かなり稀なケースです。椎間板ヘルニアは腰痛の中でも5%程なので手術が必要な病的なヘルニアはごく少数と言われています。
椎間板ヘルニアと坐骨神経痛に対しての治療法
病院では主に薬物療法が中心となり基本的には保存療法が基本となります。整形外科では「腰の牽引療法」がありますが、腰痛に対しての牽引療法が有効であるという報告は一部ありますが、椎間板ヘルニア限定で治療効果があるのかという研究結果は出ていません。
腰痛診療ガイドラインや腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインでは鍼灸やマッサージ、整体に対しては否定的な文章が多いですが、様々な臨床研究もされている中で肯定的な医療文献があることも事実です。
治療法が優れているというよりも、答え(原因)に対してアプローチすることが出来れば、いい治療結果が出るのではないかと考えています。
まとめ
手術以外、ヘルニアを取り除くことは出来ません。ですが、約9割のヘルニアに対しては自然治癒すると言われています。椎間板ヘルニアを患っているから坐骨神経痛が出るという確証も無いので酷くなる前にストレッチや運動療法で予防していくことが大切です。
整形外科では検査や一時的に痛みを抑えることを得意としています。不安であれば一度検査を受けて、もし筋肉や関節への治療が必要な場合は、整骨院や鍼灸院で整体やはり・きゅうを受けることも1つの手段ではないでしょうか?